体調不良をきっかけに気持ちまで沈みがちになってしまったり、体力の衰えにショックを受けたり、加齢に伴う変化を受け入れるのは難しいですね。
中高年になると、日常生活の中で体の衰えを実感することが増えてきますから、毎日の体調管理がより重要になってくることをご存知でしたでしょうか?
毎日、心身の状態をセルフチェックし、万病の原因である生活習慣や食生活を見直すだけで、毎日をイキイキと過ごせるようになるのです。
そこで今回は、健康で長生きするための体調管理の方法や、健康維持に欠かせない生活習慣の改善法についてお伝えします。
体調管理の基本・食生活のポイント
栄養バランスの良い食事は、健康長寿の基本です。
とは言っても、食事の用意が面倒、食が細くなってきたなどの理由で、毎日簡単なものや一品もので済ませてしまうことも増えてしまいますね。
そこで、最低限守っていただきたい、食事のポイントについお伝えします。
食事管理のポイント
タンパク質の積極的な摂取
肉や魚、大豆製品、乳製品などをできれば毎食、複数種類の食品を摂取します。
味噌汁や牛乳など、取り入れやすい食品から始めてみましょう。
1日3回、大体同じ時刻に食事を摂る
お腹が空かないからと言って1食抜いてしまうと、間食でカロリーを摂り過ぎてしまうことがあります。
また、長時間空腹の状態が続いた後の食事は、血糖値の急上昇を引き起こし、体脂肪が蓄積しやすくなります。
体調管理ができていないと感じている方は、まずは毎日同じ時刻に食事を摂る習慣をつけ、生活リズムを整えることをお勧めします。
また、1日3食は守れているけれど栄養バランスが気になるという方は、タンパク質を含むおかずに加え、野菜や海藻類、果物など、ビタミンやミネラルが豊富な食品も意識して摂取しましょう。
運動習慣で健康長寿
運動習慣は体調管理において大切なだけではなく、生活習慣病やロコモ、さらには認知症予防にも効果があります。
運動は競争、辛いものというイメージを持っている方も少なくありませんが、中高年におすすめしたいのは、誰とも競うことなく、ポジティブな気持ちで楽しみながら健康になる運動です。
運動は苦手な方、これまで運動をしたことがないという方にも始めやすく、効果抜群の運動には、次のようなものがあります。
中高年におすすめの3つの運動
ウォーキング
ダイエットや高血圧などに効果の期待できる有酸素運動です。
背筋を伸ばし、大きく腕を振り、少し息が上がる程度のペースで歩きます。
水泳
浮力によって、陸上よりも関節への負担が軽減され、運動不足の方も取り組みやすい運動です。
まずはウォーキングから始め、体が慣れてきたら、関節の曲げ伸ばしのないクロールに挑戦してみましょう。
ラジオ体操
ラジオ体操をするだけで、数分で全身の筋肉の曲げ伸ばしができます。
正しい動きをマスターして、背筋を伸ばして、どの筋肉を使っているのか意識して行います。
怪我予防のために、運動前には必ずストレッチして、筋肉痛のある時は無理せずに休ぬようにしましょう。
また、運動の健康効果を得るためには、継続が欠かせません。
どのような運動をどれくらい(時間や歩数など)したのかを記録し、モチベーションの維持と体調管理に役立てましょう。
睡眠の質を上げる6つのコツ
睡眠は、食事や運動と同様に、体調管理の基本です。
しかし、年齢を重ね、夜中に目が覚めてしまう、寝ても疲れが取れないと感じることが増えたという方も多いのではないでしょうか。
実は、中高年になると若い頃よりも睡眠時間が長くなる、日中の運動量が低下するなどの理由で、熟睡している時間(ノンレム睡眠)が短くなってしまうのです。
さらに、加齢によって体内時計の調整機能が低下、生活習慣の乱れやストレスなども影響し、体内時計が乱れ睡眠の質が低下します。
そこで、中高年の方にぜひ実践していただきたい、睡眠の質を上げるコツをお伝えします。
中高年向け・睡眠の質アップのコツ
・体を動かして居眠りや昼寝などの時間を減らし、起きている時間を長くする
・運動習慣をつけて、日中の活動量を増やす
・規則正しい生活をする
・積極的に外出して、太陽の光を浴びる
・夕方に運動して体温を上げる
・夜は照明を暗めにし、パソコンやスマホはしない
中高年が睡眠の質を上げるためには、生活習慣を改善し、毎日適度に体を動かし、自然に深く眠ることができるように体調を整えることが大切です。
また、不眠は高血圧や糖尿病のリスクを高めますから、健康維持のためにも睡眠習慣を改善しましょう。
健康効果アップ・体調管理に役立つ入浴法
入浴には、体を温めて血流を促進し、代謝アップや疲労回復をサポートする作用があります。
また、湯船につかって適度に水圧がかかると、リンパの流れも良くなりむくみ予防に、浮力によって体がリラックスしやすくなるなど、様々なメリットがあります。
そこで、このような入浴の効果をさらに高めてくれる、健康に良い入浴法についてお伝えします。
健康効果アップの入浴3つのポイント
お湯の温度は夏場は38度、冬場は40度前後が適温
ぬるめのお湯にゆっくり浸かることで、副交感神経が優位になり、リラックス効果がアップします。
体の冷えが気になる方は、10分~20分はお湯に浸かり、体の芯まで温めましょう。
就寝2時間前の入浴で快眠効果アップ
40度前後のぬるめのお湯に10分以上浸かると、深部体温が上昇します。
入浴によって上昇した体温は入浴後から徐々に低下し、就寝時刻には入眠しやすい体温になります。
入浴剤の使い分けで健康・美容効果アップ
炭酸ガス系入浴剤には、湯冷めを防ぎ、全身の新陳代謝アップ、疲労回復効果があります。
また、体を清潔にしたい時は酵素系入浴剤、夏場はさっぱり感のあるメントール配合の清涼系入浴剤、肌の乾燥には保湿成分配合のスキンケアケア系入浴剤が最適です。
さらに、生薬入りの入浴剤なら、配合されている生薬の種類に応じた健康効果も期待できます。
体調管理に役立つ入浴の基本は、40度前後のぬるめのお湯にじっくり浸かることです。
時間のない場合は足湯などでも良いので、できるだけ毎日入浴して、ストレスや疲労をケアし、体調を整えましょう。
健康状態を把握して徹底した体調管理を
50歳代から健康に過ごすためには、ご自身の心と体の状態や変化を把握し、状況に応じて、適切な対処ができるようにしておくことが大切です。
そのため、体重や血圧、体に感じた不調や違和感、心の状態などを、食事内容や運動量と共に専用のノートに書き込む、またはスマホアプリなどのツールを使って記録しておくと役立ちます。
また、健康診断や各種検査結果を整理しておくと、日々の体調管理の参考になりますし、受診すべき体調不良にも早く気付くことができます。
何でも年齢のせいにしてしまわずに、何事も早めの対処を心がけましょう。
まとめ
中高年の女性は、ホルモンバランスの乱れによる更年期の影響などで、心身が特に不安定な状態になっています。
しかし、食生活と生活習慣を改善し、良質な睡眠や正しい入浴法でストレスや疲労をケアすれば、小さな不調が改善され、毎日を元気に過ごせるようになります。
今回お伝えした内容を無理のない範囲で実践して、健康長寿を目指しましょう。
感謝をこめて。
記事のポイントまとめ
・有酸素運動の継続で生活習慣病予防
・活動量を増やして睡眠の質を改善
・ぬるめのお風呂でリラックスと疲労回復効果アップ
・毎日の健康状態を記録して異変に気付きやすくする