職場に家庭、ご自身の老後の心配など、何歳になっても尽きないストレスや悩みの種、本当に嫌になりますね。
慢性的なストレスは、うつ病など精神疾患の原因になるだけではなく、免疫力の低下を招き、様々な病気のリスクを高める恐れがあることをご存じでしたでしょうか?
ストレスを溜め込んでしまう前に、毎日簡単にできるストレスケア法で上手に解消しておけば、免疫力の低下を防ぎ、年齢に負けず毎日を元気に過ごすことができるのです。
そこで今回は、ストレスと免疫力の関係と、免疫力低下を防ぐストレスケアの方法についてお伝えします。
ストレスが免疫力を低下させる2つの要因
ストレスによる免疫力の低下は、中高年だけではなく、働き盛りの若い世代にも見られます。
ストレスが原因で引き起こされる、自律神経の乱れ、ストレスホルモンの過剰分泌が免疫力低下の大きな要因です。
そこで、この2つの要因が、どのように免疫力を低下させるのかをお伝えします。
ストレスで体内で起こる反応と免疫力低下の関係
自律神経の乱れ
交感神経が優位になると、体が緊張状態になり、内臓機能が低下します。
すると、血行不良や食欲不振、睡眠障害などが起こりやすくなり、栄養バランスの悪化や疲労の蓄積で自律神経の乱れが加速します。
その結果、免疫機能で中心的な役割を担うリンパ球の働きが悪くなり、免疫力が低下します。
ストレスホルモンの過剰分泌
強いストレスを感じると、その状態に対抗するために、ストレスホルモンが分泌されます。
ストレスホルモンの中には、免疫力を低下させる作用を持つ物質があるため、過剰分泌は免疫力の低下を招きます。
自律神経が乱れ、交感神経が優位な状態が続くと、ストレスホルモンが過剰に分泌され、免疫力が低下するという悪循環に陥ってしまいます。
さらに、心身の緊張状態は睡眠障害や食欲不振、体の冷えなどを引き起こし、免疫力がさらに低下、その結果、体調トラブルを起こしやすくなってしまうのです。
そして、加齢により免疫機能が衰え、生活習慣病のリスクも高まる50歳代以降では、ストレスによる免疫力低下の影響が現れやすくなるため、日頃のストレスケアが非常に大切です。
これからお伝えするストレス管理のコツを、毎日のストレスケアに活かして行きましょう。
50歳代女性のストレスの原因
歳を重ね、子育てや仕事で多忙な日々を過ごしていた若い頃とは、悩みやストレスの内容が変わってきたと実感している方も多いのではないでしょうか。
50歳代にもなると、職場では多くの部下を束ねるリーダーや若いスタッフの相談役として、より広い視野で仕事をすることが求められます。
また、記憶力の低下を感じながらも、社会の変化に対応していくために、新しい知識を身に付けていかなければならない職場もありますよね。
一方家庭では、子育てを卒業しても今度は介護や孫育てに奮闘、さらに夫の定年退職や収入の変化、ご自身や家族の病気などがストレスや悩みの種、という方も増えてきます。
このように、ご自身の健康状態や老後の不安などもある中、周囲の人の世話や気配りも必要とされる50歳代女性は、強いストレスを感じやすい状況にいるのです。
悩みやストレスを感じた時に、「こんなつまらないことで悩んでいてはいけない」「もっと大変な人がいる」と、ご自身に言い聞かせて頑張る必要はありません。
ストレスの蓄積から免疫力が低下し、うつ病や生活習慣病、命に関わる病気を発症してしまう前に、日々頑張っているご自身を労わってあげましょう。
逆効果?要注意のストレス解消法3つ
ストレスを感じた時、多くの女性がしがちなストレス解消法には、実は大きな落とし穴があるのです。
そこで、女性に多い、3つの危険なストレス解消法をお伝えします。
危険なストレス解消法
甘い物を食べる、ドカ食い
肥満や過食症の原因になります。
飲酒
アルコール依存や病気のリスクが高まります。
高額の買い物
消費者金融から借金をしてまで買い物をして、返済が困難になるケースもあります。
食べ物やアルコール、ショッピングでストレスを紛らわせている方は多いですが、その行動自体にはまってしまうと、心身の健康や金銭面にも問題が生じ、さらに大きなストレスや不安を抱えてしまうこともあります。
どんなストレス解消法もほどほどに、執着するのではなく、楽しいと思える範囲で行いましょう。
即効!腹式呼吸でリラックス
様々なストレス解消法を実践している方がいらっしゃると思いますが、簡単にできるのに意外と意識していない方が多いのが呼吸です。
ストレスを感じている時は、筋肉が緊張して血行不良に、呼吸が浅くなって脳が酸欠状態になっているため、免疫力低下だけではなく、体調不良を起こしやすくなっています。
そんな時は、意識的に深呼吸をして、脳と体の隅々まで酸素を届け、体の力を上手に抜いてリラックスすることが大切です。
そこで、ストレスを感じたらすぐに実践していただきたい、腹式呼吸のやり方をお伝えします。
ストレス解消効果抜群!腹式呼吸法
①姿勢を良くします。
②肺に残っている息を全て吐き切ります。
③へその下あたり(丹田)を意識して、息を吸いながらお腹を膨らませます。
④息を吐きながらお腹をへこませます。
※呼吸はゆっくりを心がけ、できれば吸う時の2~3倍の時間をかけて吐きます。
吸う息よりも吐く息を意識して行うと、副交感神経が刺激されてストレス解消効果がアップします。
今感じているストレスをすぐに解消したい時は、腹式呼吸をしてみましょう。
自分にあったストレス解消法の見つけ方
自律神経のバランスを整えるためには、リラックスすることが大切です。
リラックスすると副交感神経が優位になり、心身の緊張がほぐれ、内臓機能の正常化、血行促進、安眠できるなどの良い循環が生まれます。
上手にリラックスするためには、疲れない程度に好きなことに打ち込むのが1番です。
そこで、あなたならではのストレス解消法知るために、まずはご自身が好きなこと、リラックスできることを紙に書き出し、整理してみます。
書き出す時のポイントは、過食や飲酒、買い物に関係することを除くこと、特別なことだけではなく、普段からしていることも書き出すことです。
このようなリストを作ることで、毎日気軽にできる小さな楽しみがたくさんあることを実感できますし、この小さな楽しみをさらに深めていくきっかけにもなりますよ。
ストレスを感じたら、このリストからいくつか選んで実践し、心身をリラックスさせましょう。
まとめ
ストレスが免疫力に与える影響と簡単なストレス解消法をお伝えしましたが、いかがでしたか?
ストレスが原因となって体内で起こる反応が免疫力を低下させますが、中高年では特にその影響が大きく、体調に現れやすくなります。
ストレスを我慢したり、気持ちが弱いからだと考えたりせずに、日常生活の中でストレスをこまめにケアしていくことが大切です。
今回お伝えした方法を参考にして、ご自身に合ったストレスケア法を見つけ、毎日の習慣にしていくことをお勧めします。
記事のポイントまとめ
・50歳代女性のストレスの原因は人間関係や体調、老後への不安
・ストレス解消が依存につながりやすい過食・飲酒・買い物の習慣に注意
・ストレスをすぐに解消するには腹式呼吸が効果的
・好きなことリストで自分に合ったストレス解消法が見つかる